「治療」より「予防」が大切な理由

「虫歯は治療すれば治る」と思われがちですが、歯は一度削られてしまうと元通りに治ることはなく、その部分を詰め物や被せ物で補っているにすぎません。つまり治療が繰り返されるごとに歯質は失われていき、その歯の寿命も短くなってしまうのです。

そして歯周病は近年、糖尿病や心臓病、アルツハイマー病などの全身疾患を悪化させる要因になることが明らかになっています。その歯周病も重症化すると病状のコントロールが難しく、なかなか完治にまでいたらないのが実状です。

一生のうち1本でも多くの歯を残し、さらに体の健康を維持していくためには、「治療する」より「予防する」ほうが近道となります。当院では予防歯科を通じ、皆様のお口の健康と健やかな毎日を全力でサポートしてまいります。

予防歯科がもたらす3つの恩恵

自分の歯

1.一生「自分の歯」で食べられる

人間にとって「食べる」ことは生きる基本であり、歯はその基本を支える重要な組織です。自分の歯でしっかり咬めるとおのずと栄養のバランスも良くなり、体が衰えることなく健康的な毎日を過ごすことができます。また自分の歯で咬み、食べ物を味わうことは心を豊かにし、人生に潤いを与えてくれます。

2.生涯にかかる医療費をおさえられる

お口の中に問題がないのに歯科に通院するのは「余計な費用がかかる」と思われがちですが、健康な歯を維持することは、結果的に生涯にかかる医療費の削減につながります。

実際の調査においても40歳以上の人で自分の歯が「0~4本」しか残っていない人は、「20本以上」残っている人よりも医科医療費が1.5倍になると報告されています。さらに歯周病においては「歯ぐきが健康な人」より「重度歯周病の人」のほうが、狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患にかかる医療費が3.4倍になるという結果もでています。

(参考)生活歯援プログラム:日本歯科医師会

医療費
見た目

3.早期発見・早期治療

虫歯や歯周病は自覚症状だけで早期発見にいたるのは難しく、どちらも症状があらわれる頃になると病状がある程度進行しています。歯科医院で定期的なチェックを受け、症状があらわれる前に虫歯や歯周病を発見できれば体の負担も少なく、また治療期間や回数も少なくすみます。

予防歯科でおこなうこと

虫歯・歯周病検査

種々の検査をおこないながら、虫歯や歯周病になっていないかチェックしていきます。

ホームケアのアドバイス

患者様に適した歯ブラシの選び方やブラッシング法、さらに歯間ブラシ・デンタルフロスの使用法などを丁寧に指導していきます。ご自宅のケアで疑問なこと、困っていることなどありましたら何でもご相談ください。

PMTC

PMTCは歯科医院でおこなう専門的なクリーニングです。日頃のケアでは落としきれないプラークや歯石などを丁寧に落としていきます。最後に歯の表面をなめらかにし、汚れがつきにくくなるよう仕上げていきます。

フッ素塗布

フッ素には歯質を強化するほか、歯の修復機能である「再石灰化」をうながしたり、虫歯菌が酸をつくるのを抑制したりする効果があります。